真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

「そうですか……」



息吹ちゃんの表情が曇る。



「え?だ、大丈夫ですか?」
と、唐沢くんが息吹ちゃんを心配そうに見る。



「息吹先輩、何かわかったんですか?」



ゆみちゃんが尋ねる。



「……外部の犯行って説、消えたかも」
と、息吹ちゃんが呟く。



「えっ?」




息吹ちゃんの代わりに、私は外部の犯行の可能性の話をした。

そして、時田さんがおそらく屋上から落下したという、息吹ちゃんの推理も。



「そっか。屋上の鍵が必要になりますよね?それに外部の人間が校内にいたら確かに目立つ。しかもその人間が北校舎に入っていくなら、瑛二先輩達が気づかないはずがない」

「うん。きっと、俺達が気づくはず」



「じゃあ、犯人は……学校関係者ってことか」



寧々様が呟く。

息吹ちゃんがそれに頷く。



「他に北校舎に入った人って、見ませんでしたか?」

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