真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
そんな息吹ちゃんには申し訳なく思いつつ、続けた。
「加瀬さんは時田さんにいじめられてた。アリバイも市川さんと橋谷先生の証言はあるけれど、何か怪しい。橋谷先生とは授業を受けていたけれど、その他に接点があるかは謎。竹中先輩とは……、接点があるのかまだわかってない。面識あるのかどうかもわからない」
「うん。そうだね」
「次に滝口くん。時田さんの事件の時、姿を見せていない時間があって、時田さんが落下した直後、何故か時田さん発見現場じゃなくて、おそらく犯行現場に向かっている」
「何か知ってるよね」
息吹ちゃんが折りたたみ式のテーブルの上に置いていたペットボトルから、空になっていた私のグラスに、オレンジジュースを注いでくれる。
「それと市川さん。時田さん事件では加瀬さんと一緒にいたって証言していた。橋谷先生は担任の先生だから、接点がある。竹中先輩と親しかったのかどうかは、まだ謎だよね。ただ竹中先輩に想われていた」
「うーん、しっくりこないんだよなぁ」
息吹ちゃんはぐぅっと伸びをする。