真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

「他の先生も見回ってるんですか?」

「岡村先生と、水川先生と、あと、井原先生もいますよ」



(怖い先生ばっかり……)



林堂先生は穏やかな笑顔を見せて、
「早く帰ってください。みなさんに何かあったら大変ですよ」
と、駅のほうを見た。



「帰ろうか、ここで会議していても仕方ないし」



寧々様がみんなの缶ジュースを集めて、ゴミ箱に捨てに行ってくれた。



「会議?」
と、不思議そうな林堂先生。



「林堂先生も気をつけてくださいね」
と、ゴミ捨てから帰って来た寧々様が言うと、
「ありがとうございます。でも、先生は大丈夫ですよ」
林堂先生は笑う。



「先生って、弱そうです」
と、寧々様は冗談で返す。



みんなで笑っていると、
「こらっ!!誰ですかっ!!あなた達、早く帰りなさいっ!!」
と、通りの向こうから岡村先生がやって来た。



「あ、今、帰るところです」
と、林堂先生が私達の前に立ってくれる。

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