真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
「え?」
聞き返してしまった。
「時田さんって、どうして亡くなったんだと思う?……つまり、死因っていうか」
「私、病気かなって思ってたんだ。初めて聞いた時」
「病死……」
「でも違うかもなって」
「うん」
息吹ちゃんが頷く。
私は頭の中にある考えをまとめようと頑張ってみる。
「だってね、はじめは『裏庭で倒れてた』って聞いたでしょう?病気かなって思うじゃん?でもさ、病気と思うとおかしいなって考えちゃうの」
「おかしいって?」
「昨日までは元気だったじゃん。廊下ですれ違った時も大声で笑っててさ、いつも通りの時田さんだったもん」
息吹ちゃんが頷く。
「そしたらさ、持病の病気を隠してた、とか?本人も気づかない病気だった、とか?」
「あり得ないことではないよね」
「でも、どうしても引っかかるの」
私は言葉を切って、更に小声になるように意識して続けた。
「なんで裏庭なんかにいたんだろうって」