真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

「え?」



聞き返してしまった。



「時田さんって、どうして亡くなったんだと思う?……つまり、死因っていうか」



「私、病気かなって思ってたんだ。初めて聞いた時」

「病死……」

「でも違うかもなって」

「うん」



息吹ちゃんが頷く。

私は頭の中にある考えをまとめようと頑張ってみる。



「だってね、はじめは『裏庭で倒れてた』って聞いたでしょう?病気かなって思うじゃん?でもさ、病気と思うとおかしいなって考えちゃうの」

「おかしいって?」

「昨日までは元気だったじゃん。廊下ですれ違った時も大声で笑っててさ、いつも通りの時田さんだったもん」



息吹ちゃんが頷く。



「そしたらさ、持病の病気を隠してた、とか?本人も気づかない病気だった、とか?」

「あり得ないことではないよね」

「でも、どうしても引っかかるの」



私は言葉を切って、更に小声になるように意識して続けた。



「なんで裏庭なんかにいたんだろうって」

< 14 / 195 >

この作品をシェア

pagetop