真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

「知らないとでも思ってんの?みんな知ってるんだからな。時田さんだけじゃない、お前ら全員が加瀬さんのことをいじめてたじゃん」

「は?何、何言ってんの」



増岡さんの声が、かすかに震えた。



そこへ、
「何を騒いでるの!」
と、生徒指導で学年主任の岡村(おかむら)先生がやって来た。



隣には六組の担任の(はら)先生と、六組の学級委員もいる。



「早く帰りなさいっ!担任の先生から指示があったでしょう!?今日は一斉下校なんだから!!」



岡村先生はそう言ってからため息を吐いて、泣いている加瀬さんと増岡さんを見た。



「あなた達は残りなさい。この事態の説明をしてもらいます」



増岡さんはあからさまに嫌な顔をして、
「は?なんで!!」
と、反抗的な態度だった。



「別に何でもないし!!一斉下校だって先生が言ったんじゃん!!なんで残すの、なんで説明しなくちゃなんないの、なんで私なの!!」

「増岡さん、わかっているはずでしょう?」
と、岡村先生は言う。

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