【短】みやまの花嫁
「あいよ! 隣の子は見ない顔だな、坊主のガールフレンドか?」


「向こうで暗い顔してたから、お祭りの楽しみ方教えてやるんだ!」


「ハハハ、そいつぁいい。ほらよ、お待ちどう!」


「サンキュー!」




元気よく会話して、透明な箱を受け取った男の子は、わたしに向かって弾けるような笑顔を浮かべる。

太陽みたいに、燦燦(さんさん)と輝く笑顔を。




「ほら、1本やるから食えよ! 美味いぞーっ」


「……ありがとう」




透明な蓋を開いて、2本の串に刺さったお肉を差し出す男の子を見て、恐る恐る、手を伸ばす。

1本の串を持ち上げれば、男の子も残りの1本を持って、ぱくっと、串の先のお肉を食べてしまった。



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