【短】みやまの花嫁
「きらきら?」




目を丸くしてわたしを見た永悟を見つめて、こくんと頷いた。




「太陽みたいに、かがやいてる……だから、かっこわるく、ないよ」


「……そ、そっか。サンキュ……」




永悟はやっぱり頬を搔いて、目を逸らす。




「……ねぇ、“さんきゅ”って、どういう意味?」


「え? あ、ありがとうって意味だよ」


「ありがとう……」




同じ言葉でも、色んな言い方があるのね。

わたしは首を傾げてから、柔らかく、永悟を見つめた。




「ううん……どういたしまして」




永悟は少し丸くなったような目で、ぼうっとわたしを眺める。

男の人に透明な巾着袋を渡されるまで、永悟はわたしを見続けて動かなかった。



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