【短】みやまの花嫁
かき氷とラムネは当然買いたいし、くじ引きも輪投げもしてー!

もちろんスーパーボールすくいも!


石畳の地面を歩きながら左右の屋台をじっくり見ていると、屋台が途切れたところに同い年くらいの女子がいた。

花柄で、ピンク色っぽい赤色の、分厚い浴衣を着てる。

田舎だから子供は大体顔見知りなのに、見たことがないやつだ。




「……」




お祭りなのに、その女子はどこか困った雰囲気で、棒立ちしてる。

友達とはもう別れの挨拶をしたし、新しい家に行きたくなくなるから会いたくないけど……知らないやつなら、話してもいいか。




「何してんの?」


「……」




バリアを張ってるみたいに、人が寄り付いてないそいつの方に行くと、無言で顔を見られた。

さっきは横顔しか見えなかったけど、正面から見ると可愛い顔をしてる。
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