【短】みやまの花嫁

エピローグ

Side:―――


少年少女が進む先は、光明が差す道か、暗闇に覆われた道か。

全てが思い通りに上手くいくとは限らない。


それでも彼女達は走り続ける。

自らが選んだ夢を掲げて、未来へと真っ直ぐに。


その逃避行が許されるかどうか――。

それは、神のみぞ知る。




――――――――

―――――

―――



高速道路を痛快に走る1台の車の中。

助手席にいる中年の女性は声を上げた。




「バッグからタオル取ってくれる?」


「はーい。永悟(えいご)、タオル出してくれ」




答えた青年は座席の後ろを振り返って、荷台に収まっている少年を見る。

が、その視線は少年の隣に吸い寄せられた。




「あ」


「……」
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