【短】みやまの花嫁
「……女の子がいるんだけど」


「はぁ?」




タオルケットを肩に羽織った少女と青年は見つめ合う。

三拍分の沈黙が落ちた後、青年は目を見開いて叫んだ。




「えっ、父さん母さん、荷台に可愛い女の子がいるんだけど!!」


「「はぁ!?」」


「あーあ、バレちった……新しい家に着くまでかくし通そうと思ったのに」


「永悟……」




少女は肩のタオルケットを握って頭に被る。

その状態で、ちらりと隣の少年を見た。




「今の声……! まさか、本当に!?」


「あんた、荷台に乗りたいとか変なこと言い出したと思ったら……! なんてことしてるの!」
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