【完結】婚約破棄が破滅への始まりだった~私の本当の幸せって何ですか?~
 ディオンは自分の置かれた状況、そして国王の言ったことに不満を持ち、抗議をするように国王に詰め寄ろうとする。

「お前は不合格だ」
「へ?」

 何を言われたのかわからないと、呆然として手が垂れ下がるディオン様。
 詰め寄ろうと迫っていた彼を牽制するように、「下がれ」と低い声色で国王は告げる。
 その凄みに恐れをなしたディオン様は一歩引きさがるが、まだ壇上にあがって国王に近づこうとするのをやめない。
 私はディオン様の諦めないその様子を見て跪いていた足を上げると、そのままゆっくりとディオン様の横を通り抜けて国王の横に立つ。

「なっ! クラリスっ!! お前父上から離れろっ!!」
「離れるのはお前だ、ディオン」
「父上……?」

 国王はすくりと立ち上がると、そのままディオンの前に立って言った。

「お前は王太子ではない、マリエット侯爵令息だ」

 その言葉にディオン様もそして少し離れたところにいたクロード伯爵令嬢も目が点になる。

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