オレンジジュースを飲む頃
放課後。
いつものように正門を右に出て、車道沿いに一列で自転車を漕ぐ私達。
いつもは途中交差点で分かれるが、今日は違った。
県道をずっと真っ直ぐ行き、左手に見えてきたのが、懐かしい雰囲気漂う渥美商店。
自転車を店の前の置場に止め、中に入る。
「ばぁやいる?」
「あら、光瑠君。今日は1人じゃないんね」
「うん。この子も」
「誰かと思ったら唯穂ちゃんじゃないの。光瑠君、いつもの場所でいいんかい?」
「うん。彼女には教えようと思って」
「……なるほどね。で、光瑠君、今日はいつものでいいんかい?」
「うん。2つ頂戴」
光瑠の〝いつもの〟というのは、瓶に入った120円のオレンジジュースだった。