オレンジジュースを飲む頃


何で教えてくれないんだよ、って不満げな顔の敦。

多分、那津花から話は聞いてるんだろうけど。

敦と那津花は中学からの同級生なので、私の事も那津花経由で聞いていてもおかしくはない。


「まぁ、あいつも唯穂の事気にするふりして気にしてないみたいな態度なので、さっさと仲直りして若干不機嫌なあいつを何とかしてください。それに、槙野のこともあるから……」

「……槙野、玲那?」

「お前も気づてるだろ。槙野が光瑠の事が好きなの。もうね、あからさまに実行委員ていう立場利用して距離詰めようと必死なの間近で見るの疲れるのさ」

「……距離、詰めてるんだ」

「あの見た目だからね、他の男子だったらコロッと落ちるんだろうけど、あのぶっきら棒で何考えているのか分からない顔の光瑠だよ。なかなか手強いと思うから、槙野が必死すぎて逆に可哀想で泣けてくるわ」


同情なのか哀れみなのか、そう語る敦の表情はいつになく実行委員としての仕事以外でストレス溜まって嫌ですとでも言いたげだ。

……槙野玲那が、距離を詰めようと必死、か。

あの宣戦布告を実行に移してる彼女が、行動力の高さについては羨ましいと思う。


一方の私は……。

まだ何も動けず立ち止まったまま。





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何気ない毎日。 街を守る男。子どもと関わる仕事をする女。 ただ共に過ごす時間が幸せだと、思う。 当たり前だと、思っていた。

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