ワケありモテ男子をかくまうことになりました。


「も〜、ゆいぃ。そんな怒んなよー、実際俺が本気になれるのはゆいありきのことしかないんだからさー」


凛大が何か言っているのを一応耳にしながら、これ以上はもう耐えられないと思って口を開いた。


「あの、皆さん。なぜさっきから黙ってこちらを見ているのデスカ」


今まで当たり前に凛大と話していた私だけど、廊下から注がれる一年生からの視線に気がどうかなってしまいそうだった。


「ちょ、あなたが答えて……っ。私、雨宮様と話すの緊張しちゃう……っ!」

「なんでよ、私も無理よっ! あのお顔にハート打ち砕かれて即死案件!」

「はわわぁ。目の保養、絶世の美少女、私今幻覚でも見てるの……?」


コソコソとした声で何かを喋っている、女子生徒三人。


さっきまで教室の窓から身を乗り出していた大勢の女子たちが途端に窓から手を離し、皆が姿勢を正した。


わ、私、今無視されてる……?

あ、やっぱり凛大と話していたから女の子たちが勘違いして、私を恨みの対象として見ているのだろうか……?

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