悠久の絃
悠先生はいきなりシャツの中に手を入れてきた。私は思わず悠先生の手をはたいてしまった。

赤城「ごめんね。一旦もしもしはやめとこうか。ゆっくりでいいから深呼吸しよう。」

怒られるかと思ったけど、悠先生は怒らなかった。
そのまま悠先生の指示に従って深呼吸を繰り返すと、だんだん苦しくなくなった。

赤城「落ち着いたかな?今はもしもししても大丈夫?」

先生がさっきから言ってるもしもしが何かわからない。またシャツの中に手を入れられるかもしれないから聞いてみた。

「...もしもしって、なんですか?」

2人とも驚いたような表情で瞬きした。

赤城「あー、えっとね、もしもしってね、いとちゃんの胸の音を聞くことなんだ。いとちゃんの心臓の音と、肺の音を聞くの。」

と言って悠先生が、ここが心臓、ここが肺だよって教えてくれた。

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