【コミカライズ】王女様がお好きなら、邪魔者のわたしは要らないですか? 〜破局寸前で魅了魔法をかけてしまい、わたしのことが嫌いなはずの婚約者が溺愛してくる〜


 意識を失う前、王女があの魔獣を所持していることが発覚した。彼女には魅了魔法の呪いのことを打ち明けているので、その上で何も言わなかったということは、エルヴィアナが呪いに蝕まれて死ぬことを望んでいたということ。

 ルイスが渾身の演技でカマをかけなければ、魔獣の所有が明らかになることもなかったと思うとぞっとする。

(誰が悪女なのか分からなくなるわね)

 クラウスに岡惚れしていて、彼を手に入れるために二人を翻弄してきたのだとしたら、相当な策士だ。

「……それが、その……。実は大変なことになっているんだ」

 クラウスの表情はいつになく深刻で。

「魔獣を引き渡すのを渋っているということ?」
「違う。そうではなく……」

 なぜか歯切れが悪く、言うのをためらっている様子。
 エルヴィアナが首を傾げていると、彼はこの三日間の出来事を話してくれた。聞かされた内容にエルヴィアナは絶句した。

「そんな……」
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