交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
そうやって、すぐ感情が表情に出てしまう素直さも、愛おしくて堪らない。

自然と頬が緩んで、くすっと笑ってしまった。

「気がついたら、その笑顔を一生守りたいと思うようになっていた。その役は誰にも渡したくない」

「その言葉、信じてもいいんですか? この前のキスも、私の自惚れじゃなくて…」

「自惚れてくれていい。 俺は小梅が好きだ」

堪らず被せるように言うと、小梅が照れ笑いを浮かべる。

「小梅は? 小梅は俺のこと、どう思ってるんだ?」

そんなの、顔を見れば分かるのにわざと言わせようとする俺は子どもみたいだなと思った。
だが、どうしても小梅の口から聞きたい。好きだと、言ってほしい。

「…好きです。言ったでしょう。あなたは私の初恋だって」

俺の我儘に答えてくれる小梅。ぶっきらぼうに言って目をそらすのは、照れ隠しだと分かるから。
俺は彼女の手を引き、自分の胸に囲い込むように抱きしめた。
ぽすんと収まった小梅は、俺の背に控えめに手を回す。

どくどくと早鐘を立てるのは、俺のものか小梅のものか。分からないくらい抱き合って、互いの温もりを感じる。
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