天使の受難 アレクサンドラとグルシア(魔法の恋の行方・シリーズ10)
魔女は大き目な段ボールを、開いている椅子の上に置いて、ガムテープをビリビリ破いた。

「ほれ、これがいいと思って」

黒いドレス。
レースとフリル、リボンの満載のゴシックロリータ。

「なるほど・・」

魔女にふさわしいと言うか、
アイドルの衣裳ようだ。

魔女はそのドレスを、バサッと
椅子の背もたれにかけ、次に二つ目の段ボールを開けた。

しばらく、ごそごそとビニール袋をあさっていたが

「これはどうだ」

白い小さなレースの布、
いや、両脇、ひもリボンのパンティを、両手で引っ張るように
グルシアの鼻先に突き付けた。

かなり透けている・・

ぐふっ
いきなりのエチエチ攻撃に、
グルシアはむせこんだ。

「天界の予算だからな。
白にしないと悪いと思って」

魔女は、ふふふと不適な笑いを浮かべた。

「オットにはこれを」

光沢のある、黒レザーの小さなビキニパンツ、
完璧なTバックスタイル。

魔女は、それをびいーーんと引っ張って見せた。

「朝、おまえの体を見たが、
これが似合うと思う」
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