イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの

突然の再会

 就職が決まった春のゴールデンウィーク。私はこのアパートに引っ越してきた。憧れのひとり暮らし。

 夕方過ぎにようやく引越作業も終わり、とりあえず荷ほどきは徐々にやるとしてすでに十八時だ。両隣へ挨拶に行かないと遅くなってしまう。奥にある段ボール箱から手つきの紙袋を取り出すと、中にタオルセットを入れた。

「さてと……。どんな人が隣なのかな?ドキドキするなあ」

 私は上から下まで自分の格好を見て、引越作業のため部屋着同然の格好にこれではダメだと思い直し、急いで着替えた。

 まずは左隣。

 ピンポーン。

『はい』

「お隣に越してきた早見と申します。ご挨拶にうかがいました」

『はい、お待ちください』

 後ろからママーという子供の声がするけど。

「あ、お待たせしました。こら、京ちゃんダメでしょ」

 若い女の人の足下に一歳くらいの男の子がしがみついている。可愛い。
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