イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
そう言って、私の腕を引っ張って、玄関の中へ押し込んだ。勢い余って、玄関へに前のめりに倒れた。
「痛いな、何すんの!」
「お前。でかい声だしてるのわかってんのか?みんなのぞきに来るぞ」
は。口を押さえる。そうだった。ここは集合住宅。気をつけないといけないと思ってたんだ。私、声が大きいんだよね。
「とりあえず、上がれよ。久しぶりだからな、飲み物くらい出してやる」
海斗が玄関の鍵を閉めた。前のめりに倒れている私の腕を引っ張ってくれた。
「大丈夫か?」
昔と同じようにしゃがんで顔をのぞき込んだ。背の低い私に合わせてしゃがんで目を合わせるのは昔から。数年ぶりの海斗は相変わらずのイケメンだ。目が合っただけでドキッとする。罪な奴。すると、黙って私の頬をするっと撫でた。
「……えっ……」
「はは、相変わらず真っ赤になってる。変わらないなお前」
そう言って部屋に入っていった。私は海斗に触られて頬が熱くなった。