不穏ラジオ−この番組ではみんなの秘密を暴露します−
その鳥殺しの最初の犯人が、風翔だと言うのだろうか。


【最近では風翔くん以外でも真似している犯人がいると言われているみたいだけど、実はあれぜ~んぶ、風翔くんの仕業だったんです! いやぁ、あの大人しい彼が鳥殺しの犯人だなんて誰も思いませんよねぇ。怖い怖い!】


私はDJの声にギョッと目を見開く。
模倣犯はいなくて、全部風翔の仕業?

ということは、風翔は毎日鳥を殺しているということになる。
その事実に失恋の胸の痛みを忘れ去っていた。
あまりにも驚きの事実だ。

学校にいるときの風翔を思い出してみても、とてもそんな様子には見えない。
いつもどおり授業を受けている姿しか見たことがない。

その裏では鳥を殺していたなんて、まだ信じられなかった。
私はゴクリと唾を飲み込んだ。


【今のところ鳥殺しで済んでいますが、これから先エスカレートする可能性は十分にあります! みなさん、気をつけて!】


そこで不穏ラジオは終わってしまった。
脳内に響く声が消えて静かになったものの、私の心臓はまだバクバクと早鐘を打っている。

これが本当のことだとしたら、大変な事実を知ってしまったことになる。
留伊のイジメなんて、まだ可愛い方だ。

学校にバレれば、風翔はまちがいなく退学処分になるだろう。
思わぬ収穫のあったラジオに私はしばらく眠れそうになかったのだった。
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