ヴァンパイアは自分の親友である妹を離さない
「蒼炎、翼。夜に、なーに騒いでんだ?」


!?


ドアの向こうから声がした。


「バカ!お前が大声を出すからだぞ」

 
「ご、ごめんなさい」


「蒼炎?翼?大丈夫かぁー?」


「な、なんでもねぇよ」


「蒼炎、いつもより動揺してね?まさかそっちで何かあったんじゃ…開けてもいいか?」


「バッ!……月城(つきしろ)紫音(しおん)とかいったか?」


「は、はい」


夜桜先輩は外に声が漏れない程度に、私に話しかける。


「翼を助けたいなら俺以外に正体をバラすな。いいな?それがお前を助ける唯一の条件だ」


「わ、わかりました」


「俺のことは蒼炎と呼べ。翼はいつもそう呼んでる。あとタメ口な。それと、今から俺がすることにもお前はいつも通りの翼のようにしてろ。声を上げることは禁止だし、驚くのもダメだ。…わかったか?」


「うん、わかった」


夜桜先輩が私を守ってくれる?

どうして?私のこと苦手なんじゃ…。


それに、翼お兄ちゃんにいつもしてることってなんなの?
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