【コンテスト用シナリオ】十七歳、かわいすぎる幼なじみが溺愛狼に変身しました⁉

5話 どっちでもいいんだ

〇園内・ひとり迷子になっている司
地図とにらめっこでズンズン歩く。
司(さっきのトイレに戻っているはずなのに、遠ざかっているのはどうして?)(そもそも、なんでスマホ持ち込み禁止なの⁉ こういうときのための携帯電話でしょう~)
朝、スマホを回収する先生の絵など。
ぶつかってきた子どもを避けようとしてつまずき、グキッと足首を痛めてしまう。
司「いたた……」
司(うぅ、もう歩きたくない)
ベンチに座り、痛めた足首をさする。
司(こうなったら迷子放送をしてもらうしかないかなぁ)
想像して恥ずかしさに「うわ~」となる。
司(どうしよう。王子のイメージを守るべき? でも、このまま迷惑をかけ続けるのもなしだよね?)
ナンパ男(大学生くらい)「あれ~。ひとりでどうしたの?」「あ、わかった。彼氏と喧嘩したんでしょ」
司は思いきり無視しているけれど、結構しつこい。
ナンパ男「ねぇ、ねぇ、行こうよ。奢るしさ」
男の手が司の腕を強引につかむ。
波留「司っ!」
その声に顔をあげる司。走ってくる波留の姿。
司(いつもピンチになると波留が来てくれる)(ずっと……守ってもらっていたのは、私のほうだ)
※少し泣きそうな表情になる

〇ナンパを撃退する波留
ナンパされている状況を認識し、チッと舌打ちする波留。
近くにいた子に「すぐ返します!」と言って、うさぎ耳とマントを借りる。
波留はナンパ男の肩をツンツンとつつく。
波留「お、兄、さ、ん」
ナンパ男「え?」
うさ耳の美少女にテンションのあがるナンパ男。
ナンパ男(え、え、アイドル? モデル?)
波留「あの、このアイスってどこに売ってるかわかりますか?」
パンフレットを見せつつ、男を誘惑するオーラを出す波留。
ナンパ男「あ、あっち! このお城の裏じゃないかな」
波留「……食べたいなぁ」※じっと男を見つめて
ナンパ男「買ってきます! 十個でも百個でも」
波留「わぁい! あ、ジュースとポテトと限定キーチャーム(5万円)も欲しいな」
ナンパ男「喜んで!」
ニコニコで手を振る波留。
ウキウキで駆けていく男を呆然と見送る司。波留はうさ耳を持ち主に返却。
波留「さ。今のうちに逃げよ」
司の手を握る波留。そこで司の足首の腫れに気がつく。
かがみ込んで司の足の状態を確認する波留。
波留「軽い捻挫かな。ごめん、俺が来るのが遅かったせいだ」
ズーンと落ち込んでいる波留を司は慌ててフォローする。
司「波留はなにも悪くない!私が慣れない靴なんか履いてきたせいだし」
波留はじっと司の靴を見つめる。
波留「でも似合う。シンデレラみたい」
ドキドキして頬が染まる司。
波留「ワンピも似合ってるよ。さすが俺のお姫さま」※とびきりの笑顔
司(誰にどう思われても……波留の目にそう映っているなら十分かもしれない)
司「あ、朝はっ。似合ってないって言ってたじゃない」
照れ隠しで憎まれ口を叩いてしまう司。
波留「ごめん。あれはヤキモチ」
上目遣いに司を見あげる波留。
波留「お姫さまな司は俺が独占したかった。ほかのやつらになんか見せる必要ないのに」
かわいく怒る波留にますます胸が高鳴る司。
司(どうしてこんなにドキドキするんだろう)
波留はギュッと司の両手を握る。
波留「今度は、こういう服は俺とふたりのときにして」「外で着るのは禁止」
波留の勢いに押されてうなずいてしまう司。
司「う、うん」
波留「え、いいの?」※パッと顔を輝かせる。
司「自分で言ったんじゃん」
波留「願望であって叶うとは思ってなかったし!」「司が俺のためだけにかわいい服……」
かわいい司を妄想してニヤニヤする波留。
司は観念したように、クスリと笑う。
司「そもそも、この格好は波留に見せるためだったから」
波留「え?」
司はポケットの指輪を薬指につけて波留に見せる。
司「波留のくれた指輪に、一番似合いそうな服を選んだの」「合ってるかな?」
照れて赤くなる司。そのかわいさに感動する波留。
波留(かわいい、世界一かわいい!)(しかも俺のため!)
波留は真顔で言う。
波留「司。キスしていい?」
司「え、なに言って……」「人、いっぱいいるし!」
波留「パレード始まったし。みんなそっちしか見てないよ」
波留はグイグイ迫ってくる。綺麗な顔が近づいてきて司はパニック。
波留「だって無理だよ。司がかわいいからもう我慢できない」
唇が重なる寸前、ナンパ男が「買ってきました!」と色々抱えて帰ってくる。
ゴォォと殺気立つ波留。
波留「邪魔!」
ナンパ男「え……ま、まさか男?」
互いにがっかりしている波留とナンパ男。

〇みんなのところへ戻るふたり
日が落ちはじめている。
波留は司をおんぶして歩く。
波留「本当はさ、どっちがナイトでもいいんだ」「ただ俺は司が大好きだから、それを知ってほしかっただけ」
これまでのふたりの歴史。互いに助け合ってきた。波留にとって司はナイトだったし、司にとっての波留もそうだった。
子ども司「波留のことは私が」子ども波留「司のことは俺が」
ふたりの声が重なる「絶対に守るから!」
司は波留の広い背中に顔をうずめる。
司(うん。一緒にいられるなら、どっちでもいいね)(波留はどんどん男らしくなって、私も多少は女っぽくなっていくかもしれないけど……変わらないものもきっとあるから)
スースーという司の寝息に眉をひそめる波留。
波留「――いいとこなのに、寝る?」
眠ってしまった司。眠りながらニコニコしている
司(だって、ここはどんな場所より安心できるんだよ)
波留は腕時計に視線を落とす。
波留「やばっ。もう集合時間だ」
イルミネーションでキラキラしている園内を走り抜ける波留。


○集合場所でふたりを待つみんな。
心配して待っているみんな。他の班の子たちも集合している。
胡桃「あ、来た~」
つっちー「こっち、こっち!」
女子「あれ、姫とナイトの役割がいつもと逆転してる~」
女子「ホントだ。新鮮!」
軽々と司をおんぶしている波留の姿。かっこいい感じに。
全クラスメートの心の声(どっちにしても最強にお似合い~)
桂くんだけが面白くなさそうな顔。
桂くん「ふぅん。これはちょっと……邪魔したくなるなぁ」※これまで誠実そうだった彼の裏の顔が見える

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