キケンな生徒指導
人気教師と嫌われガール
「期末の答案返すぞー!順番に取りに来ーい」

現国の教師はのんびり言う。

寒い…外は真夏日どころか猛暑日なのに、寒くて仕方ない。

夏休みまであと少し。

この学校の空調管理してる人、馬鹿なのかな。

どうやら、冷房の設定温度が18度らしい。

涼しいを通り越して、真夏なのに厚着するはめになるではないか。

ヤ行の苗字の生徒のあと、出席番号最後の私が答案を受け取りに行くと、

「おいおーい、李家。なんでそんなに震えてるんだ?」

稲葉という、この国語教師は、やたら私をおちょくってくる。

ムスッとしたまま答案を受け取ると、先生はニヤニヤしながら、

「何もそんなに震えなくても、今回も李家の一人勝ちだから安心しろよ。それに引き換えお前ら全員!平均点が65点って酷すぎだろ!?いくら李家が満点取ってもカバーしきれないぞ」
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