キケンな生徒指導
危険な少女に化けた時
私たちは、また相談室に戻ってきた。

「李家は器用に何でもこなすものかと思ってたから、意外だったな」

「ごめんなさいね、不器用で」

内心、ムッとしながら言うと、

「そういうことじゃないよ。器用すぎると人間らしくないし、なんだか急に李家が身近に感じられたってこと」

しめしめ…。

先生が気を許してきたみたいなので、そろそろ作戦に突入しようか。

「ねえ、いつも外と部屋との寒暖差がつらいから、着替え持ってきたの」

「それは準備がいいな」

「汗が冷えて気持ち悪いから、着替えちゃうね」

そう言って、私はまず制服のベストを脱ぎ、首のリボンを外し、シャツのボタンに手をかけ始めると、
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