キケンな生徒指導
傷だらけのヒーロー
先生は、二本目のコーヒーを飲みながら、ポツリポツリと語り始めた。

「俺も、この学校のOBで、特進だったんだ。部活は野球部で」

「うん」

「丁度、俺の在学中は野球部も強くて、甲子園への切符も手に入れたんだ」

「すごいじゃない」

先生は、苦笑して小さく首を横に振る。

「とはいえ、俺はギリギリのところでベンチ入りは出来なかったんだけどさ」

私はスポーツに疎く、ましてや野球のことなどサッパリなのだが、とりあえず黙って聞いていた。

「子供の頃から、ずっと野球バカだったからな…甲子園は憧れだった。まぁ、俺は出られなくても、仲間が頑張っているのを心から応援してたよ」

「うん…」
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