キケンな生徒指導
「本当に疲れた…可愛い奥さまに癒やされたいよ」

そう言って後ろから抱き締められる。

「先生ってば、もう…料理中だし、危ないから。あとでね?」

「あ、それもそうだな」


卒業後はもう、二人を繋ぐものがなくなったのに、何故こんな未来が待っていたのか。

それは、ほんの少し…否、なかなかの勇気の賜物だ。

高校の卒業アルバムには、生徒と教職員全員の住所と電話番号が載っていた。

お守りのつもりで、先生の情報だけ、メモして持っていた。

と言っても、本当に連絡するつもりではなかったが。

上京してからは、友達にも恵まれたし、色んな男からデートに誘われたりもした。

勉強もプライベートも充実で、まさに理想的なキャンバスライフ。
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