キケンな生徒指導
嫌われ教師は最愛の人
「ただいまぁ…」

夕飯の支度をしていたところ、愛しい人の少し疲れたような声に振り向く。

「先生、お疲れ様」

「茉莉花さぁ…いつも言ってるけど、先生って呼び方やめようよ。なんだか悪いことしてるみたいだから」

「だって、今更…ねぇ?」

思わず笑ってしまう。


涙の卒業式から、早くも5年の歳月が流れ、もうすぐまた夏がやってくる。

初恋の先生が、こうして私の夫になるなんてこと、あの頃は想像もしなかった。
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