陽生先生のキケンな恋愛指導
1st.Lesson

ワルい男



 彼氏ができるってすっごく幸せ!
 昼休みは一緒にお昼食べて、他愛のない会話して、すれ違ったらさりげなくアイコンタクトとか、二人だけの秘密!

 放課後は手を繋いでデートして、帰り際にチュッてされたりなんかして……そんな恋にずっと憧れていた。


「ホテル行かない?」

「えっ」

「ずっと行ってみたかったところあってさぁ!このホテルなんだけど」


 見せられたのは、明らかにムラッとした雰囲気を醸し出している所謂ピンクなホテル。

 私もまあバカではないので、そういうことするところってのはわかってる。
 カップルなんだし、いずれは大人の階段登ったり……なんて妄想もしたよ?

 でも、でもさ


「は、初デートで行くの……?」


 付き合って初めてのデートでは、流石に違うんじゃないの……??


「え、嫌なの?」

「嫌っていうか、こういうのはもっと段階があるというか…いきなりホテルは、ちょっと……」

「……、なんだよそれ」

「えっ」

「付き合ってるなら普通じゃねぇ?好き同士ならヤりたいって思うのが普通だろ。
俺のこと好きじゃねぇの?」

「いやっ、もちろん好きだけど…!」

「じゃあいいじゃん」

「でも、私にも心の準備というものが…っ!」


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