陽生先生のキケンな恋愛指導


 ものすごく嫌そうな溜息を吐いた後、私に冷たく言い放った。


「……めんどくさ。ヤらせてくれないなら別れるわ」

「……っっ」


 間宮(まみや)仁胡(にこ)、17歳。
 付き合ったばかりの彼氏にフラれました。


* * *


「いやそんな男別れて正解だから!!」


 家に帰り、ボロ泣きで二人のお姉ちゃんにフラれたことを話した。

 話し終わった瞬間、怒涛の勢いでキレたのは仁菜(にな)ちゃん。現在大学2年生。


「初デートでホテルは頭おかしいだろ!!」

「そりゃあかなりヤバい奴だね。仁胡のダメ男記録更新じゃない」

「ダメ男記録とか言わないで仁香(にか)ちゃん!!」


 一番上の仁香ちゃんは24歳のOL。
 私たちは三姉妹です。


「実際そうでしょ?前は二股かけられてた浮気男で、その前は同じ電車に乗ってただけで運命だと勘違いしてたストーカー男」

「変なキモいオッサンにも言い寄られてなかった?
マジで仁胡の男運のなさは壊滅的だよ」

「うう……っ」


 お姉ちゃんたちの言う通り、何故か私はダメ男ばかりに引っかかります……。

 毎朝同じ電車に乗っていたと言っていた、名前も知らない人に突然告られたり、知らないおじさんに援交申し込まれたり。

 初彼ができたと思ったら、二股かけられてたしさっきもいきなりホテルとか言い出すし……。


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