愛されたいと願って

こういうのが当たり前かもしれないけど、物を与えられた記憶がほとんどなかった。


くれたとしても、学校で使う物や必需品とか。


私が望む物を与えられたことはない。


「玲夜、深夜、今日は4人で出かけよう」


「いいわね。そうしましょう」


出かけるのも私を除いた4人で行って。


……家にいる時はいつも息苦しかった。


まるで、私を透明人間のように扱われて。


いつだって、父と母は優秀な兄と可愛い妹を優先した。


私のことはいつも後回しにして、結局してくれることはなかった。


育ててもらっているのに、こんなこと思ったらいけないのかもしれない。


でも、時々自分の存在意義を考えてしまうんだ。

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