お姫様、俺とイチャつく時間ですよ?

「茉莉花! 帰るぞ」



放課後、俺はスクールバッグを持って茉莉花の席まで行って声をかけた。



「あっ、うん」



校門を出ると、朝はあんなに太陽がギラギラと輝いていて水色の空が広がっていたというのが嘘みてぇに雨が降っていた。


俺はスクールバッグから折りたたみの黒い傘をさして、茉莉花もピンクの花柄の傘をさして一緒にいつも通りの道を歩く。



「シンデレラ役、決まったね。杏ちゃんに」



ポツポツと空から降ってくる雨達が騒ぐ中、茉莉花が言った。



「茉莉花も推薦されただろ」



「でも結果が結果だからさ。しかも杏ちゃん、可愛いから」



可愛い?
可愛いって、なんだよ。


俺はいつだって、茉莉花が小さい赤ん坊や散歩に連れてかれてる犬を見かけるたびに「可愛い」と言ってる姿を見るたびに思う。


可愛い存在は、茉莉花なんだよ。




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