両手でも抱えきれぬ愛で贖えるものなら
Epilogue
あれから…。

9月下旬、久々に私たちは休みを合わせた。

及川くんの模型飛行機、第二号が出来上がったので、前に行った海とはまた別の、更に遠い海岸へとドライブデート中。

「今度こそ、ちゃんと飛ぶといいね!」

「うん。多分、今回はいけるんじゃないかな」

場所こそ違えど、今もまた、ひとけない砂浜にて、

「じゃあ、飛ばすよ」

「うん!」

どうか飛んで…!

そう願うと、模型飛行機は、今度こそ空高く舞い上がった。

「やったね!」
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