離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─


ザラがコツコツ足音を鳴らして歩き回っていると、また調香師訓練中の女性の一人が声をかけた。


「ザラ様、ご相談者様のお話が長い時はどうしたらいいですか?」

「よくある悩みじゃな」

「あの人のこんなところが好きでーみたいなの聞かされても好みの香りなんてわかりません」

「最後まで全て聞いてやれ」


領民女性はうんざりした顔をしたが、ザラは妙齢女性の頬をするっと撫でた。女性の顔がぽっと赤らむ。


「お喋り好きは話しきったら、大概すぐ買う。聞き上手は買わせ上手だ」


ジェニットと領民女性が、たしかに話しきると買いたくなると笑い合って納得した。


「勉強になりました!」
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