離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─

ザラが驚くよりも先に眉を顰めた。さっと近づいてきたフードマスク男がザラの手を両手でぎゅっと握る。


「初めまして!僕、アンドリューでーす!ザラ、以後お見知りおきを!」

「誰がアンドリューじゃ?」

「僕ね!」


ザラの手を勝手にかっさらって握手したアンドリューと名乗る男は、


どう見てもエドワードだった。


その印象的で真っ青な瞳を見間違えるはずがない。ザラはエドワードの顔の造形の良さは良く知っている。ザラは顔が引きつった。


ザラが会いに来るなと条件を付けたばかりに、エドワードは「あからさまな偽名」を使って会いに来たのだ。
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