可愛い彼と美しい彼女
朝6時半。
目覚ましが鳴る。

起きると、昨日勉強をしていたため乱れていた机が綺麗に元通りにされており、部屋も一掃すみずみが綺麗になっていた。


これでも控えめになった方であり、前は朝は私の執事である30代前半で、美人で、切れ長の目が特徴的な女、田所が起こしに来て、服も全て用意し、部屋の掃除から、全てを徹底的にしてくれていたが高校生になり段々とサポートは意図的に少なくしてくれていた。



「おはようございます。麗華様。」


6時40分頃になると、前髪や後ろ髪を全てひとつ結びに後毛がなくまとめている清潔感しかない田所が朝食を持ってくる。



「おはよう、田所。」



朝食を済ませ、準備ができると、7時40分頃田所が運転するリムジンに乗って学校へ向かう。




「本日は暑くなりそうですので、しっかりと水分補給をしてくださいね、お嬢様」


「わかってるよ」


田所はずっと私のそばに仕えていて、1番私のことを知っている存在。




「あ。」



そんな私には最近毎朝楽しみがあった。



それは大通りの信号を止まるときのこと。

毎日、“お姉さん”と出会うのだ。

と言っても一方的だが。




同性に一目惚れ、なんて言葉は相応しくないのかもしれないが、一目見た時に心を打たれるような感覚に陥った。


茶色く染められた先端まで艶々に綺麗にケアされて、それをくるくる巻いてある髪。
ナチュラルメイクだが、元が綺麗な為にある目が大きい可愛らしい顔。
毎朝履くミニスカートやショートパンツからでる白くて細い足と、ウエストが高くて、綺麗なシルエットが出るスタイルの良さ。


多くの人が行き交う大通りの中でも異様なオーラを放つお姉さん。

私は絶対に彼女だけは見つけられた。


「はあ、今日も綺麗......」


今日は体のシルエットがみえるマーメイドスカートに梅雨のため温度調節できるようにか少しだぼっとした袖の長いカーディガン。


今日も美しいな、なんて思っていると、


その声は田所の耳によく届いていたみたいで。



「あー、彼女ですか、?」


「うん。あのお姉さん見るのが毎日の日になってるかも」


「はあ」


田所は感情が読めないような声を出したと共に信号が青に変わった。
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