【コンテスト参加作品】私が愛した人は、殺人犯でした。


 有澤さんは、泣きながら笑っていた。
 まるで、復讐を遂げたみたいな顔で、文哉の姿を見て笑っていたんだ。

「……だからって、こんなこと……許される訳がないでしょ?!」

 文哉のことを守るって言ったのに、守れなかった。私はそのことが悔しくて、涙が止まらなかった。

「文哉は……文哉は、あなたの好きな人のせいで、両親が自殺したの。あなたの好きな人のせいで、文哉は家族を失ったのよ!?」

「……うるさいわね。 ああ、分かった。じゃあ、アンタも一緒に殺してあげる」

 そうやって私の元へと歩いてくる彼女の顔は、すでに悪魔となっていた。
 取り憑かれたかのように、魂が抜けていた。

「……あなたは、悪魔だわ。こんなことのために、この十年、生きてたの?」

「そうよ!私は、コイツに復讐するためにずっと生きてきたの! 私には、もう怖いものなんて一つもない!私には、あの人だけが生き甲斐だったの!私の大切な人だったの!」

 この人は……狂ってる。悪魔だ……。

「だからって……こんなこと、許される訳がない」

「コイツは人殺しよ? こんな人殺しのこと、庇うって言うの?」

「……あなただって、立派な人殺しじゃない」

「なんですって?」
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