【コンテスト参加作品】私が愛した人は、殺人犯でした。


「文哉……おかえり」

「……ただいま、杏珠」

「……良かったね」
 
 私の言葉に、文哉は「本当にこれで良かった……のかな」と呟く。

「え……?」

「俺は罪を犯した。……人を殺したことに変わりはない。だからこそ、これで良かったのか……分からないんだ」

 不起訴になった今でも、文哉の心は晴れない。
ずっと未だに残り続ける、自分が殺人犯というレッテルを貼られているからこそ、文哉はこの先も罪の意識を持って生きて行かなければならない。
 そんな文哉に、私は何をしてあげられるのだろうか……。

「文哉は……文哉のままでいいんだよ」

「え……?」

「文哉が変わる必要なんて、ないんだよ。……ずっとずっと、そのままでいいと思う」

 私はありのままを文哉を信じるし、助けていきたい。支えていきたいし、愛していきたい。
 
「文哉のことは、私が一番よく知ってるから。……文哉はきっとこの先、幸せになれるはずだよ。 ご両親だって、それを望んでるはず」

 文哉は、両親の分まで生きていく義務がある。両親が残してくれたその命を、大切にしてほしい。

「……杏珠、ありがとう」

「文哉には、私がいるから。この先もずっと、私がいるから」

 ーーー私が愛した人は、殺人犯でした。


【完結】
< 29 / 29 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:8

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!

総文字数/81,918

恋愛(ラブコメ)112ページ

ベリーズカフェラブストーリー大賞エントリー中
表紙を見る 表紙を閉じる
   29歳で、夫の浮気が原因で夫と離婚した。 夫は浮気を肯定するような言葉を私に告げたんだ。  信じられなかった。  もう恋愛も再婚も懲り懲りだと、そう思って生きてきたのに、再び私の前に現れだ元夫゙  そんな時助けてくれたのは、私より年下の金髪のイケメンくんだった。   「菫花さんさ、俺の恋人にならない?」 「はい?」 「恋人のフリ、しないとじゃない? だってお姉さん、今は俺の゙彼女゙ってことになってる訳だし?」 「……そ、それもそうですね」  そんな訳で私は、年下のイケメンくんに恋人のフリをお願いした。 「菫花さん、俺のこと好きになってよ」 「えっ……?」 「俺、菫花さんのこと、本気になっちゃったんだよね」  あくまでも恋人のフリだと思っていたのに、そんな年下イケメンくんからアプローチを受けた私は、戸惑うばかりで……?  でもそこに再び現れ続ける元夫が、私に執着し続けて……。 「文晶、私の人生にあなたはもういらない。必要ない」   私はもう、元夫なんかに負けない。 彼がいるから、頑張れると実感したんだ。 2025/10/27☆START☆   2022/11/17☆THE END☆ 久しぶりの長編です。至らないところもあると思いますがよろしくお願いします。
【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。

総文字数/86,477

恋愛(純愛)132ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
  「三国くん……好き」  私がずっと好きだった三国くんは、海外への留学が決まっていた。 私は三国くんと会えなくなることがイヤだった。  だから私は、もうこれで最後だからと、三国くんに抱いてほしいとお願いした。  それから七年が経ち、私は三国くんとたまたま職場の書店で再会した。 「……絵梨沙?」 「え、三国くん……?」  そんな中、私の七年越しの初恋の針が、再び動き出したーーー。   「俺はもう、絵梨沙のことを二度と離さない」 「祥太くん……」 「好きだ」 海外へ留学し猛勉強の末に弁護士となり、絵梨沙の前に現れたヒーロー 三国祥太(27) ✕ 大型書店で働き、七年ぶりに再会した祥太のことが忘れられなかったヒロイン 和倉絵梨沙(27) 執筆開始 2025/4/16〜 公開日  2025/4/25〜   完結日 2025/5/20 七年越しに再会した二人のじれあま初恋物語です。
表紙を見る 表紙を閉じる
 交際して二年になる彼氏がいる主人公の豊佳(とよか)  豊佳は交際二年の記念日の前日、彼氏である龍樹(たつき)が知らない女と身体を重ね合っている姿を目撃してしまう。  どういうことなのかと問い詰めると、龍樹はなんと【セフレ】だと言い出して……。  豊佳は信じていた龍樹に裏切られたと知り、別れを切り出す。  そんな豊佳が出会ったのは、有名レストランのシェフで……。 「豊佳、俺のこと好きになりなよ」 「……え?」 「俺と恋、しなよ」    失恋から始まる奇跡の出会いは、ハンバーグのように熱々……? 執筆開始 2024/12/17〜 本編公開日 2025/1/12〜 本編完結日 2025/2/19 レビューくださった方、感想くださった方本当にありがとうございます!

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop