マイシス××。
1つ息を吐いて扉の前に腰を下ろして膝をかかえれば、白くてどこまでも長い廊下が視界に入った。
「今、何時なんだろ……」
時計も無いから時間も分からない。
ただ、高い位置にある小さな飾り窓にはぼんやりと真ん丸な月が浮かんで見えた。
どの位、待っただろうか。
正確には分からないけど、明らかに普通の高校生が出歩く時間帯では無いと思う。
シグレって人はお金持ちだから、そういうの関係ないのか。いや、寧ろ逆に出歩いていたら危険なんじゃないかな。
「お前、何やってんの?」
なんて低い声が耳に入って顔を上げれば、黒いブレザーを着た制服姿のままのシグレが私の前に立っていた。