七瀬先生、ここから先は違法です
七瀬「おまえら、やめろ……はあ、だる絡みすんな」
深いため息をわざとらしく吐いて、心底迷惑そうな顔を浮かべた。
七瀬「……まあ、もっと交流を深めたいやつもいるし……しゃーなしに担任やるけどなー」
夏鈴に視線を向けたまま言うので、どくんと心臓が高鳴る。
夏鈴(……それって、私のこと??)
生徒「えー、七瀬先生、交流を深めたいやついんの?」
生徒「もしかして、俺か?」
七瀬「言わねーよー。まっ、あくまで新しい先生がくるまでの代理の担任だからなー。面倒ごとは勘弁してくれよ。早く新しい先生が来ることを願っててなー」
副担任だった七瀬先生とは、今までは関わりが少なかった。
それなのに……七瀬先生が担任の先生になってしまった。
夏鈴(必然的にこれからは今まで以上に、七瀬先生と会う時間が増える……)
顔を上げると、七瀬先生と目が合う。したり顔の悪戯に笑う彼の表情は夏鈴だけに向けられていた。
夏鈴(七瀬先生は全部知ってたんだ……)