運命の恋に秘された真実
「本当?実はそれ、俺も同じなんだ。あと、これは昔も話したけど、祖父母どころか、親戚が一人も居ないのも、今となってはちょっと妙だなと思う。普段の付き合いがないとしても、皆無ってのはなかなか珍しいみたいだし」

今夜は月が綺麗なので、幼い頃のように公園のブランコにを揺らしている。

しかし、話す内容は何処どことなく不穏だ。

「あ!もしかして、駆け落ちしたのかも?」

純くんが閃いたように言うが、私は小さく首を横に振り、

「少なくとも、うちはそうじゃなさそう。ママは、何だか時代を恨んでるというか、もし現代っ子だったら結婚なんてしなかったようなこと言ってたし…。子供にしてみれば、複雑な気持ちにもなるわ」

「んー…でも、純ちゃんのご両親、どう見ても不仲ではないよね?もし、元々は望まなかった結婚だったとしても」

「望まなかった結婚かぁ…。でも、政略結婚とか、強引にお見合いで結婚させられてたとしたら、むしろ親戚関係はついて回るんじゃない?」

矛盾点が次々と出てくるので、二人して無言になってしまう。
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