婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜

「しかしアンドレイも上手いこと考えたわね。よくあんな悪知恵が働くわ」

「まぁな」アンドレイはニヤリと口の端を歪めて「このままでは俺はあの女と結婚しないといけないからな。こっちも必死なんだよ」

「まぁ!」

「仮に成功して、あの女が王太子を籠絡したら不貞を訴えて婚約破棄。仮に失敗したら、ジャニーヌ侯爵家の利益のために隣国との無用な戦争を煽る工作をしたと訴えて婚約破棄をすればいい。ついでに目障りな侯爵家自体も取り潰しだ」

「完璧なシナリオね。さすがだわ」

 アンドレイは満足そうに深く頷いた。


「いずれにせよ、あの女に待っているのは破滅だけだ」

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