婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜

 でも情けないことに、自分の本来持つ能力は平均より低いみたいで、褒められるようなことは決してなかった。
 それでも、お父様やアンドレイ様にしょっちゅう叱咤激励されながら一生懸命頑張ってきたわ。人より劣っているのだから、人より努力しないといけないのは当たり前よね。
 今もアンドレイ様から怒られることが多いけど、自分は上手くやっている。

 ――そう思っていた。

 アンドレイ様からわたしが王子の婚約者に相応しくないと話が出ているって聞いたときは寝耳に水だったけど、きっとわたしが彼の婚約者だからって驕り高ぶって怠けていたからだわ。自業自得なのよ。
 だから国の平和のために尽力して、結果を出して周囲を認めさせてあげなきゃ。

 それに、戦争なんて絶対に嫌。

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