婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜

15 軍隊生活① 〜続・潜入捜査〜

 相変わらずレイモンド王太子殿下に謁見できないし、またぞろ諜報活動が停滞してしまったので、わたしは再び潜入捜査をすることにした。
 スカイヨン伯爵からは「もっと時間を置いたほうがいい」と言われたけど、わたしには時間がない。

 先日、アンドレイ様から調査報告のお返事が来た。
 それによると、大臣の一部から「無能な令嬢とは早く婚約破棄を」と声が上がり始めているらしい。彼らを黙らせるためにも早急の結果を求む……って、おっしゃっていたわ。もっと頑張らなくちゃ!
 ヴェルを通して大使館の方々から褒められたわたしは、俄然やる気に満ち溢れているのだ。
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