再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
佐波さんとプライベートでもよく飲みに行くようになったある日。
アルコールに強い佐波さんにしては珍しくかなり酔ってしまったときがあった。
このままひとりで帰すのが心配で、タクシーで家まで送っていくことにした。
そのとき俺たちを迎えてくれたのが当時高校二年生の千晶ちゃんだ。
彼女に案内されて佐波さんを寝室へと連れていき布団の上に寝かせる。だいぶ酔っている佐波さんは寝息をたてて眠ってしまった。
そこで俺は帰ろうとしたのだが、お礼にコーヒーでも飲んでいきませんかと千晶ちゃんに引き止められたのでそうすることにした。
リビングのテーブルに向かい合って腰を下ろし、千晶ちゃんが淹れてくれたコーヒーに口をつける。すると彼女が困ったように眉を下げてひとり言のようにぽつりと言った。
『お父さん、今日は絶対に酔い潰れて帰ってくると思った』
その根拠が気になって尋ねると、彼女はどこか寂しそうに笑った。
『お母さんが私と父を捨てて家を出ていった日なんです、今日』
佐波さんが男手ひとつで娘を育てているシングルファザーだというのは知っていた。
どうして奥さんがいないのか気にはなっていたが、家庭の事情に踏み込んではいけないと思って聞けずにいた。でもまさかそんな理由だったとは。