再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


「ちょっとだけでいいのでお時間いただけませんか」

「私ですか?」

「はい。お話を聞いてほしいんです」


なんだか必死な様子で話しかけてくる男性に対して警戒心が一気に強くなる。


「手間は取らせません。ほんの数分でいいので」

「いえ、でも……」


思わず足が一歩うしろに下がった。

改めて目の前の男性を確認する。

年齢はおそらく三十代くらい。英介さんよりも年上だと思う。きれいにセットされた髪。そして、眼鏡をかけている。


もしかしてこの人……。


ドクンと心臓が大きく波打った。


『スーツを着てる。年齢は三十代ぐらいで俺より少し上かな。髪色は黒で、前髪を右側にわけてセットしていて、シルバーフレームの眼鏡をかけているな』


以前、レストランで私のことを見ていた男性の特徴を思い出す。


「シルバーフレームの眼鏡……」


目の前の男性を見つめながらぽつりと呟いた声は、信号が青に変わって一斉に横断歩道を渡り始めた人たちの足音に消された。

間違いない。今目の前にいるのは、数カ月前に私のあとをつけていた男性だ。

直接見たわけではないから顔は知らない。でもあのとき英介さんが言っていた特徴と合っている。


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