再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
どうやら先ほどの物音の犯人は猫だったようだ。
ほっとして小さく息を吐き出した。けれど安心はまだできない。
通話状態のスマートフォンからは横断歩道を渡るときのメロディーが聞こえる。
もうすぐそこまで英介さんが来ているのだろう。
さっきの男たちに見つかりませんようにと祈りながら膝を抱えて体を小さく丸めた。
どのくらいそうやって息を潜めていただろう。
「千晶」
すぐ近くから英介さんの声が聞こえてはっと顔を上げる。
目の前の彼は走ってきたせいか軽く息を乱していて、肩が上下に動いている。額には汗が滲み、それを手の甲でさっと拭った。
「英介さんっ!」
立ち上がった私は彼の腰に両手を回して勢いよく抱き付く。そんな私を英介さんが片手で受け止めてくれた。
「無事でよかった」
息を吸い込むと英介さんの香りで満たされて、さっきまでの不安や恐怖が萎んでいく。
彼が来てくれたおかげで少しずつ落ち着きを取り戻した。
腰に回していた両手を離して、英介さんから離れる。
「来てくれてありがとう」
そう伝えた私の頭に英介さんの手がそっと乗る。そのままくしゃっと優しく髪を撫でられた。