再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
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午後八時過ぎにようやく仕事がひと段落した。
足早に庁舎を出るとめんどうな後輩に掴まってしまう。
「あ! 加賀美せんぱーい」
無視するわけにもいかず足を止めた。振り向くと及川が大きく手を振ってこちらに駆け寄ってくる。
「今帰りですか」
「そう。及川も?」
「俺もです。どうですか、これから一杯」
俺を飲みに誘った及川だがすぐになにかに気付いたようでハッとした表情を見せる。
「俺と飲んでいる場合じゃないですよね。奥さん妊娠中なんだから早く帰らないと」
「そうだな。でも今日はちょっとこれから人と会う約束をしてるんだ」
「新婚早々浮気ですか」
「あほ」
及川の頭を軽く拳で叩いてから、止めていた足を再び動かす。そのあとを及川もついてきた。
「誰と会うんですか」
「及川には関係ないよ」
「えー、教えてくれてもいいじゃないですか」
「そういえば、千晶のあとをつけていたやつらの正体がわかった」
「え⁉」
誰と会うのかをしつこく尋ねてくる及川に別の話題を振るとあっさりとそれに食いついた。
及川も千晶を心配していたからやはり気になるのだろう。
同じマンションに住んでいることもあり、俺が仕事で遅いときや帰れないときなどは千晶のことを気にしてくれていたようだ。及川には感謝をしている。