再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「千晶の母親が経営している会社の秘書だった」
「秘書? 千晶ちゃんのお母さんって社長なんですか⁉ あれ、でも佐波さんって確か奥さんいませんでしたよね」
「千晶が七歳のときに離婚してる。千晶は佐波さんに引き取られたから、それ以降は母親には会っていないらしい」
「なるほど」
及川がふむふむと頷いた。
「それで、千晶ちゃんのお母さんの会社の秘書がどうして千晶ちゃんのあとをつけていたんですか」
「社長と娘を会わせたかったらしい」
「千晶ちゃんのお母さんと千晶ちゃんを?」
「そう」
あのあと聞いた秘書たちの話によると、千晶の母親である彼らの社長が『娘に会いたい』と呟いたのを聞いて、会う機会を作ってあげたいと思ったそうだ。
そして千晶の居場所を突き止め、あとをつけ回しながら接触の機会を伺っていたらしい。
「そういうことだったのか」
事の顛末を話し終えると及川は安心したように息を吐き出した。
「千晶ちゃんがもっと大きな事件に巻き込まれているんじゃないかと思って心配しましたよ。そうじゃなかったんですね」
確かに、事件に巻き込まれていなくてよかったとは思う。でも千晶にとっては心を激しく揺さぶられるような出来事になってしまった。
自分を捨てた母親が今になって会いたいと言っている。置いていかれた子供の頃のつらい記憶を夢に見てはうなされるほど追い詰められているのが現状だ。
俺としてはこのまま放っておける事態じゃない。