再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


「デザートどうしようか。食べる? それともここを出る?」


加賀美さんに尋ねられて、メニュー表に視線を落とす。

クレームブリュレかタルトタタン。どちらかを食べたかったけれど、そんな気分ではなくなってしまった。


「……帰ります」

「了解。またデザートだけ食べに来ようか」


伝票を持った加賀美さんがすっと席を立った。




カフェレストランをあとにした私たちは駅の方向へと足を進める。

私は電車で帰るし、加賀美さんは駅の近くのコインパーキングに車を停めているそうだ。

人混みを進みながら、隣を歩く加賀美さんに声をかける。


「やっぱり自分で食べた分は払います」


伝票を手に取った加賀美さんは私が財布を出す隙も与えないほどあっという間にカードで会計を済ませてしまった。

ご馳走になるつもりで来たわけではないので申し訳なくなる。私だって社会人なのだからしっかりと払いたいのに。


「今日は俺が食事に誘ったから俺に払わせて」

「でも……」

「じゃあ今度デザートを食べに行くときは千晶ちゃんに奢ってもらおうかな」


そのときもきっと加賀美さんがスマートに会計を済ませてしまうんだろうんだろうな。

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